音楽的な表現とテクニック:意識するポイント
音楽的表現とテクニックは結びついています。
「指はすべての音が生まれる場所」であることを 強く意識し、指先は常に力強く 鍵盤の絶妙なコントロールができるように 、耳とともにトレーニングすることが 上達につながります。
(⚠️特に 指先の第1・2関節が反り返らないように注意しましょう)
タッチの変化によって いろいろな状況がありますが、基本的な 打鍵ポジションは 「指先を頭に見立てた場合、額(おでこ)にあたる場所」とされています。(分かりにくくてすみません・・😖💦)
指の先端ではなく、指の腹でもない、ちょうどその中間に当たる部分です。
指の先端部で打鍵すると、ぐらぐらして不安定になったり、爪に当たってしまいます。
指の腹で打鍵すると、柔軟な指の動きが制限されてしまいます。
前提として、西洋音楽の基本は「音程が安定していること」です。
これは 美しいハーモニーを作るための土台です。
どんな楽器でも、安定した音程・響きを保ちながら、小さな音で演奏するのは とても難しいものです。
音程や響きををよく聞いて、聴覚も育てましょう!🎹
がんばって練習しても 思い通りに弾けない状態が長く続くと、ツライですよね。(でも、みんなそうです・・🙂↕️)
でも、それこそが練習であることを思いだして、 工夫を楽しみながら 少しずつ チャレンジして 達成を目指しましょう!
「なんとなく音のイメージは分かってるのに、弾けない・・・」という状態から抜け出すためのヒントとして、代表的なテクニックをご紹介します。
しかし、これらのテクニックは ごく一部です。
また、1つのテクニックだけを使うのではなく、状況によって 組み合わせたり、自分の指の強さや 手の大きさに合わせて変化させる必要もあることを 理解しながら、参考アドバイスとして 工夫してみてください。
音楽的表現のテクニック
❶カンタービレ(歌う)
特に、メロディラインは楽曲の生命ラインです。
音をつなげて聴かせるため、音と音のつなぎ目やほんのわずかな強弱もよく聞いて、研究しましょう。
・鍵盤を指から離さない
・音が縦わりにならないように、フレーズの重心や頂点、方向性を意識する
・バターの中に指を埋め込むような感覚で、指先の微妙なコントロールを意識する
・ペダルに頼らずに、指だけで音をつなげる練習をする
❷速いパッセージ
粒のそろった真珠のような音をイメージして 練習しましょう。
・可能な限り早く 鍵盤に指をセットし、指先を鍵盤から 少し浮かせる
・打鍵する直前(約3mm手前)から最高スピードで打鍵する
・余計な指の動きを 極限までやめる(コンパクトな動き→スムーズさ)
・一音ずつしっかりスピードを持って打鍵するが、指をバタバタ勢いだけで動かさない
❸強く速いパッセージ
力を使う練習なので、疲れたら休憩したり、短時間ずつ取り組みましょう。
(⚠️故障につながる練習にならないように、絶対に 無理はしないでください!)
・最高スピードの打鍵をしたら、すぐに力を抜いて 響かせる(脱力のテクニック)
・二の腕の重みを利用して、腕の力を 音符の進む方向へ乗せていく感覚。しかし、力で押さない
・腕ばかりを意識するのではなく、意識は常に指先に向ける
・大きな跳躍も含む場合、腕の動きは素早く(曲のスピードと腕の動きは連動しない)
❹マルテラート(鋭い音)
鍵盤を突き刺すような感覚で、腕や全身の力を効率よく使うポイントを見つけましょう。
・素早い腕の動きと 強い指の力が必要
・指は少し伸ばすようなイメージで、打鍵の瞬間に腕や肘を固める
・打鍵した後は すぐに力を抜いて 次の音に備える
❺繊細な音(ハーフタッチ)
鍵盤の底まで押さえず、途中で終わる軽いタッチで弾く
・ハーフタッチの理想的な音を聴いて、自分が求める音のイメージを持つ
・鍵盤を軽く撫でるようなタッチ。しかし、音が抜けたり、音程が曖昧になっていないか、注意深く聴く
・すべての指でハーフタッチの音を打鍵できるように、感覚を育てていく
・指の第一・第二関節を主に使って、指にかかる重みを適度にのせる
・上腕二頭筋を使って 肘を持ち上げるが、反動として起こる 二の腕の重みは 指先にかからないように注意する
では、音楽的な表現とは?
これらのテクニックを いつ どうやって使えば良いのでしょうか?
「音楽的」とは、どういう状態のことでしょうか?
ごく一般的なことですが、大まかに意識したいポイントを挙げてみたいと思います。
①ビートが安定していること
ビートとは心臓の鼓動のように一定のテンポを刻むもので、「ビート=一定」です。
その一方で、テンポ(速度)は心理的要因や音楽的要因(音色や音域、強弱など)によって変化します。
あまりにも一定すぎると 音楽的表現が乏しく感じられる反面、テンポが揺れすぎても 聴き手は不安になります。
すぐに a tempoの速度に戻れるように 常に意識しておく必要があります。
②メロディとハーモニーのバランスが安定していること
メロディ(旋律)は一番肝心なパートです。安定した伴奏やハモリがあることで、メロディがより華やかになります。
メロディ(旋律)とハーモニー(和音)どちらも支えあうことで、より音楽が立体的になり、表現の幅が大きく広がります。
③音列が滑らかで、一定の方向性があること
一般的に、音列が下がると収束に向かい、上がると盛り上がっていく傾向があります。
音列に沿って(凸凹なく)滑らかに演奏できているか否かで、大きく印象が変わります。
④テンポ(速度)が自然であること(自然な揺らぎや呼吸を感じる)
ビートは一定ですが、機械のように一定すぎると音楽的ではなくなります。
音楽の揺らぎや曲の雰囲気に合わせて 強弱やテンポの揺らぎを 変化させたりしながら、音楽の展開を演出します。
それをいかに自然に表現できるかも重要な要素です。
⑤一定のまとまり感があり、調性が感じられること
少し難しい話になりますが、調性音楽には区切りとなる着地音(解決音)が必ず存在します。
大切な音とそうでない音、その区別がついていないと音楽的な文脈(論理)が失われ、説得力(締まり)のない、単なる音の羅列になってしまいます。
基本的な音楽構造や理論を学ぶことで、その方法が少しずつ見えてきます。
音楽的表現とテクニックは結びついている
楽譜をよく読むことで、作曲者の意図や 音楽の流れが 次第につかめるようになってきます。
「音楽的要素を見極める目的で、楽譜を読めるようになる必要がある」ともいえますね。
突然意味もなく、クレシェンドやフォルテが出てくることはありません。
そこには、必ず表現したい意図や目的があります。
音楽の流れがつかめるようになると、どのくらい変化させると良いのか、バランスが分かるようになってきます。
また、作曲者の生涯や 作品が描かれた時代背景などを理解することで、作品の解釈がさらに深まります。
成長するほど 課題が難しくなりますよね・・。
意識することが多すぎて 投げ出したくなる時もありますが、音楽経験が増えるほど 自然に身についていきます。
特に、苦手とうまく付き合う方法を見つけていきましょう。
困難が大きいほど、乗り越えた喜びは はかり知れないものです。
みなさん、一緒に頑張りましょう!
みなさんの演奏が より一層ステキな響きとなりますように🎹🎵
最後まで お付き合いいただき ありがとうございました!🥰