音楽表現と基本動作:姿勢・フォームの確認
ピアノ演奏は、自分の心に広がるイメージを 全身を使って表現することです。
基本的に 省エネで 無駄な動きをなくし、 効果的に響かせる弾き方を目指していきましょう🎵
フレーズと身体の動き
各フレーズには 必ず重心があります。
1フレーズにつき、身体の動きは1回。重心を意識して 無駄な動きを極限までなくし、 打鍵したら力を抜いて(指を鍵盤に強く押し付けないようにして) 次の動きに備えましょう。
①座り方・椅子の位置
《椅子の高さ》
・椅子の高さは、手首と肘が同じ高さ(肘の角度が90度)になるのが基本。
・手首の高さは、指の付け根の関節よりわずかに下がった位置をキープするように、常に意識する。
・手首を使うテクニックの後は、素早く基本ポジションに戻りましょう。
《ピアノとの距離》
・ピアノとの距離は、肘の角度が100~120度くらいまで楽に動かせる距離。
・椅子が手前すぎると、肘が曲がりすぎてしまい、(肘が脇に当たって)腕の自由な動きが制限されてしまいます。
・椅子が離れすぎると、肘が伸びすぎてしまい、腕の力をうまく伝えられなくなってしまいます。
《座り方》
・椅子全体に腰掛けるのではなく、椅子の半分より手前で 少し腰掛ける。
・脇は締めすぎず、少し緩める(小さなボールを脇に挟むような感覚)。
・腕全体もリラックスさせ、肘は常に左右に動かせることを確認する。
②手・指のフォーム
《手のフォーム》
・指の形を気にするあまり、指の第三関節より 手首が上に上がってしまわないように 注意。
・手首は常にリラックス。しかし、下がりすぎるのも良くない。
《指のフォーム》
・指の運動機能が弱いと、足りない力を手首に頼りがちになる。
・特に 強いタッチで鍵盤に指を落とす場合、手首の位置を意識する。
・指の第一関節が反り返らないように、第一・二関節が 必ず山になるように 少し曲げる。
・小指で打鍵する時に、指が倒れないように注意(必ず 指の中心で打鍵する)
・親指は、鍵盤に対して垂直方向に動かすトレーニングをする。
③全身のフォーム
《頭から首の状態》
・首が 背骨からまっすぐ上に伸びているような感覚で維持する。
(首が前に突き出るような姿勢にならないように注意)
・頭が左右に揺れるくらいなら良いが、身体の重心がブレないように意識する。
《背筋》
・背筋をピンと伸ばし、頭が上に弾き上がった感覚で演奏する。
・猫背は不適切。身体を十分に使えないため、音量や音色に影響する。
・常に背筋をピンと伸ばし、腰から前後に 体を使って演奏する。
《肩の脱力》
・演奏中、不安やストレスがかかると 身体に力が入り、肩が上がる。常に意識的に 肩は下げる。
・身体が緊張していることに気付いたら、身体的原因/精神的原因のどちらに課題があるのかよく考え、解決のために必要なトレーニングをする。
《足の位置》
・ペダルを使う場合は、右足は ペダルのすぐ近くに置く。左足はそこから半歩後ろ。
・左足を引きすぎると、体重が前にかかり、肘が曲がる原因となる。
まとめ
ピアノで うまく表現をするためには、全身の動きを 効率よく指に伝える 必要があります。
そのため、少しの音の変化をよく聞きながら 自分の身体の使い方が適切か、よく考えながら練習しましょう。
結局のところ、「少しの力で最大限の効果を発揮すること=一番効率が良い」ということです。
そのために重要なのは、柔軟性です。
しなやかに曲がる弓のような関節、しかし 強さにも負けないというイメージでしょうか・・🥰
音楽は、「緊張と緩和」のバランスです。
強さとともに、柔軟さも兼ね備えることを 意識して 練習に取り組んでいきましょう。
不思議なことに、これはマインドセット(考え方)にも通ずるところがあると思います。
不安要素があれば、それが身体を通して 音に反映されます。
練習不足、自信のなさ、プレッシャーによる過度の緊張など、精神状態も やはり 音に出ます。
これらを完全になくすことは不可能ですが、うまく付き合えるように 改善する工夫も必要です。
また、グランドピアノで練習すると、腕や指にかかる わずかな重みを ピアノに伝えやすいので、表現力を鍛えることができます。そのため、さらに聴覚が養われます。
アップライトピアノは ハーモニーを聴き分けたり、指を動かすトレーニングはできますが、わずかな表現を伝えることには不向きといえます(おおまかな表現であれば、 充分可能です)。
このように、それぞれの楽器の特性を活かして 練習目的に応じて使い分けることも大切です。
問題の原因をよく分析して 問題解決策を講じることも、 効率の良い学びにつながります。
音をめぐる様々な問題、環境や経済的問題なども含めて、課題は尽きませんが・・・ 合理的 かつ 情熱的に 頑張りましょう!
成功に向かう過程で出会う仲間や、新しい気づき、失敗の中に 大きな喜びの種があることを 忘れないように、結果だけを求めるのではなく、過程を楽しみましょう🎹
みなさまのピアノ演奏の一助になれましたら 幸いです🥰
最後までお付き合いいただき ありがとうございました!