基礎力を上げるトレーニング:チェルニー練習曲
「基礎からやり直したい!」よく言われますよね。
でも、いざ基礎練習として、ハノンやチェルニーの練習曲を 頑張って続けていても ツライし、意味が分からない!😖😖
という長~い長~い停滞期を いかに辛抱強く 大切に過ごすかで 結果が変わってきます。
分かってはいるけど・・とにかくツライ!という方に 是非ご一読いただければと思います😄
チェルニーってどんな人?
チェルニー練習曲は、「100番」-「30番」-「40番」-「50番」-「左手のためのチェルニー練習曲」など、多数の練習曲がありますが、指示通りの速さで弾くのはプロでも難しい・・という とんでもないレベルを想定されています・・💦
私のクラシックの先生も、「こんな意地悪な曲ばっかり・・よく書けたよね・・(笑)」と仰っていました・・(すみません!😖)
いろいろと思うところもありますが・・。
チェルニー先生からの愛情だと 少し気持ちを切り替えて・・(笑)
チェルニー練習曲と向き合うきっかけとなるよう、まずはチェルニー先生について、知るところから始めましょう🎵🎹
《カール・チェルニー(1791~1857)》オーストリアの大作曲家
当時、ピアノサロンで大人気だったベートーヴェン(1770~1827)の演奏を聴いて、大ファンになったチェルニーは、10歳でベートーヴェンの弟子入りを志願したと言われています。後進指導にはあまり興味がなかったベートーヴェンでしたが、その頃から少し耳の不調を感じていたことが チェルニーの弟子入り志願を許可したきっかけだったとも言われています。
ベートーヴェンは、ピアノ協奏曲の初演を自身で行ってきましたが、第5番「皇帝」を書き上げたころには 難聴がかなり進んでいたため、ウィーン公演でチェルニーに自分の代役として演奏をさせたという記録が残っています。このことから、演奏者としてもチェルニーがベートーヴェンの信頼を得ていたことがうかがえます。
後に、演奏活動から身をひいて指導者となったチェルニーは、作曲家・教師・音楽理論家となります。そして、その中には フランツ・リスト(1811~1886)がいました。
リストにとって チェルニーは、生涯唯一の先生でもありました。
リストはチェルニーへの感謝を込めて、空前の難曲『超絶技巧練習曲』を献呈しています。
クラシック古典派の巨匠から学び、後のロマン派の大家を育てたチェルニーは、クラシックの源流を受け継ぎ、その橋渡し役としての役割を担った存在だといえます。
私たちピアノ学習者も、是非この流れを受け継いでいきたいものです・・(畏れ多くも・・・😥)
チェルニー先生からのアドバイス
チェルニー100番は、バイエル終了後(初心者向け)の練習曲集です。
この教本のまえがきに、チェルニー先生からの助言がたくさんあります。
もう初心者じゃないし・・という方も、ある程度経験を積んでから 改めて振り返ると、学びが深まるきっかけにもなります。・・頑張って 少しお付き合いください🥰
- 音符の長さは、常に一定に。速い曲でも、遅い曲でも正確に。
- 和音は、バラバラにならないように すべて揃えて 一音として弾く。
和音が連続する場合は 特に気を付けて、よく練習する。
頂点となる音の流れがよく聞こえるように、重力のかけ方を意識する。 - 音階は、一つずつの音が 同じ強さで きれいに流れるように弾く。
リズムが崩れたり、滑ることがないように。 - 分散和音は、非常に柔らかく 美しく。
指をよく広げて、どの音も正確に よく響くように練習する。
力を入れすぎると 固い音になるため、手の形を変えずに 指先を鍵盤の底まで落とす。 - 装飾音符は ひっかけるように軽く。しかし、次の音と重ならないように。
- トリルは 腕の力を抜いて 、指先だけの運動として弾く。
- スタッカートは 曲調に応じて、鋭く硬いものか、明るく 軽妙なものか 考えて弾く。
- テンポは、 できるだけ 指定の速さを守る。一定の速度も必要。
- 旋律(メロディ)は楽曲の生命ライン。常に きれいに浮き上がるように弾く。
- アクセントは、 位置によって 曲のイメージが大きく変わるため、注意深く。
大体1拍目につくが、常にそうではない。 - 伴奏は、旋律をより美しく 引き立たせるためのもの。
旋律より大きくならないように、曲全体のバランスをよく考えて弾く。 - 転調は、それぞれの調性をよく理解して弾く。
それぞれの区切り(終止感)をしっかり意識して、全体のまとまりを大切に。アーティキュレーションも大切。 - 楽曲は必ずまとまりを持っている。
まとまりを崩したり、音の羅列だけで終わらないように 曲全体を把握する。
そのためには、表現の幅を増やすことが重要。 - どんな些細な音でも 決して粗末に扱わないように、一音一音を丁寧に。
曲調・アーティキュレーション・曲の流れをよく理解し、繰り返し練習すること。
まとめ
決して、初心者の段階では 身につかないレベルですが・・😖
チェルニー練習曲だけでなく、どの楽曲を弾く際にも 意識するべき、すべてのピアノ学習者の心構えのような内容です。
どうしても「基礎=指の練習」 のように考えてしまいますし、チェルニー練習曲は 美しい旋律・・というよりも、少し固めの旋律で、どうしても機械的なイメージが強くなってしまいます・・(本当にすみません!!🙏💦)
練習の過程として、音を間違えずにスムーズに弾くことは最重要課題ですが、そこが出発点であるということです。
タイミングやハーモニーのバランス、強弱の変化、自然な揺らぎ、滑らかな音のつながり・・🎵
音楽表現と考えると難しく感じますが、言語表現と同様に考えると良いかもしれません。😄
自分のメッセージが伝わるように、文節を意識して、スピード、反復、強調などを変化させて会話をしていますよね・・(しかもアドリブで考えながらです!)
結局のところ、「表現=状況に応じて 変化させること」です。
では、その状況をどのように判断するのか・・
音楽全体の流れ、曲調、リズム、テンポ、ハーモニーなど、音楽のすべての要素から読み解く必要があるということです。
最初はどうしても 意識が必要です。学習とは、 意識的に繰り返すうちに 自然と身についていく過程です。
スムーズに弾けるようになったら、次はチェルニー先生の助言を意識しながら 「音楽表現の質を高める方法」を学んでいきましょう!😆
具体的な練習方法については、別の記事で改めて 触れていきたいと思います。
まずは、チェルニー練習曲集と仲良く、音楽表現について 意識を深めるところから始めていきましょう🎹
最後までお付き合い頂き ありがとうございました!🥰