練習方法の見直し:悪い練習からの脱却
自分の練習が良いか悪いか、どうやって判断しますか?
今回は、少しショッキングなタイトルですが、結論として「悪い練習」は存在しません。
なぜなら、これは結果論として分かることで、やってみないと分からない部分もあるし、失敗から学べることもたくさんあるからです。
とはいえ、自分の練習が効率的か、成長につながっているのか、考える視点はとても大切です。
今回は、学びや気づきにつながる練習ができているか、練習の振り返りについて考えていきたいと思います!😄
プラス練習とマイナス練習
ここでは、「成長につながる効率的な練習=プラス練習」と、「なかなか実力が上がらない非効率な練習=マイナス練習」として、具体的に考えていきたいと思います。
マイナス練習(非効率で実力が上がらない)状態とは
❶正しく演奏できていないことに気付かない、気づいても放置している
❷実力に合っていない課題に取り組んでいる
❸改善につながっていない練習を ひたすら繰り返している
❹環境的問題(過度なストレス、疲れ、集中できない)がある
❺練習時間が足りない
マイナス練習に気付くステップ
❶すぐに弾けない要因は何か、考える
(例 ・楽譜が読めない ・レベルがあっていない ・技術が難しい ・どう弾けばいいのか分からない など)
ピアノ学習の本質は「音楽表現を作るところ」からがスタートです。
しかし、まだスムーズに弾けない時点から いきなり両手で弾き始めていませんか?
音楽表現は、最終段階です。
まずは、音楽の流れを止めずに リズム、テンポ、ハーモニーのバランスを整えてからの作業です。
最低レベルの目標から設定して、段階的にレベルアップを目指しましょう。
❷どうすれば解決できるか、具体的に考える(具体的解決策は、事項:「プラス練習を増やすには」を参照)
弾けないことに気付きながら、漠然と繰り返すだけになっていませんか?
当然ながら、難しい曲、苦手な曲ほど工夫が大切です。
一人では気づけないことが多いので、レッスンで先生に尋ねてみましょう。
大切なのは、主体的に考えることです。しかし、指摘されて 気づくこともたくさんあります。
また、何度も同じところで間違えているのに そのまま弾き通してしまう・・ 本当に多いです。
間違いに気付いているのに放置していたら、いつまで経っても改善しません。
自分の音をよく聴きながら、集中して練習しましょう(これはもう聞き飽きましたよね・・💦)。
また、間違えたところからではなく、最初から弾き直す方も多いですが、毎回最初から弾きなおしていたら いくら時間があっても足りないですし、明らかに練習量のバランスに大きな差が生まれてしまいます・・😥
残念ながら、これらの練習も 「漠然と繰り返す練習」の一部といえます。
解決に向けて、試行錯誤する過程が練習です。
練習とは、指を動かすことだけではありません。頭も使って工夫してみましょう。
「なんとなくできるようになった」ではなく、「こうすればいいんだ!(理解)」につながることで、改善につながる練習方法や弾けない原因が見つけやすくなります。
そして、同じような課題にも すぐに対処法が分かるようになり、結果的に 早く上達します。
❸完全にマイナス練習をなくすことはできない、しかし減らすことはできる(ことに気付く)
何事もそうですが、完璧な状態は存在しません。
時間はいくらあっても足りないし、ピアノばかり弾いているわけにもいきません。
だからこそ、工夫が必要です。改善するためには、まず現状を正しく把握して理想に近づけることが大切です。
自分に必要な練習方法を見つけていくことも練習の一部と考え、常に改善を意識しましょう。
今、うまくいっていない原因をよく考え、下記のポイントをぜひ参考にしてみてください👍
プラス練習を増やすには
❶練習ストレスを減らすため、基礎力をつける
(テクニックだけでなく、楽典やソルフェージュなど、音楽のルールを学ぶ)
❷実力に合った曲を選ぶ(現状の課題克服につながる選曲をする)
❸片手練習やゆっくり練習など、ハードルを下げる
❹特に弾きにくいところはリズム練習などを使って、指に負荷をかける
❺指使いが本当に最適か、再考する
❻集中力のコントロール(2割:ストレスをかけた練習 8割:音楽表現)
❼体調面を整える
❽集中できない時は休憩する、または練習を中止する。環境的な要因がないか考え、改善に向けて行動する
❾練習の目的を再確認する
❿自分の苦手を深く理解し、克服のために必要なことをよく考え、根気強く向き合う
⓫期限を決めて、段階的に進歩できるように計画する
これらを常に意識するのは難しいです。
一度にすべてをやろうとせずに、できそうなところから 改善に向けて取り組みましょう!
ただひたすら繰り返す練習・・ついやってしまいますが、これだけでは自分の変化になかなか気づくことができません。
そのための改善策として、練習内容と結果のメモをお勧めします🎵
少しずつ自分の変化 / 進歩につながった練習を増やせば、改善に向けてどうすればよいのかが見えてきます。
そのためには、自分の変化を記録することはとても役立ちます。
レッスンノートをお勧めしていますが、最初はメモ書きでも 結果は大きく変わってきます。
🎼レッスンメモに書く内容🎼
①練習時間と練習内容
②その結果、どうだったか(できたこと、できなかったこと)
③気づいたこと、学び
④次はどうするか
まとめ
私が考える「悪い練習」とは、主体性を持って練習に取り組まないことです。
なぜなら、音楽を作るのは常に自分自身だからです。
先生のアドバイス通りに弾くだけでは、先生の音楽になってしまいます。
最初はそうやってやり方を学びますが、ある程度分かってきたら、表現も考えて練習をしましょう。
ピアノ学習の最終ゴールは「音楽を使って自分の世界観を作ること」であり、
レッスンはその「やり方 / 考え方を学ぶ場」です。
そして練習は「試行錯誤(トライアンドエラー)」です。
ついでに言うと、「正しい練習」もありません。
あえて言うなら、「自分が楽しめて、成長につながる」のが正しい練習ではないでしょうか・・(理想論ですね・・😥)
しかし、少しずつで良いので、自分に合った考え方を見つけたり、楽しめる練習方法を見つけていきましょう!
そして、あまり思いつめずに 遠回りも楽しむ気持ちの余裕を持つことも大切です。
柔軟に考えながら、楽しく効率的にピアノを上達するために、時々このような視点で振り返ってみてはいかがでしょうか。。
何か皆さんのヒントにつながることがあれば嬉しく思います。
では皆様、楽しいピアノライフをお過ごしください!🥰
おまけ
ごく簡単なものですが、私が使用していた 練習メモのテンプレートを無料配布いたします!
もしよろしければ、 ダウンロードしてご自由にお使いください。
記入したい量にもよると思いますが、私はA4サイズでコピーして使っていました。
最初からすべてを埋めるのは難しいかもしれません。
考える習慣がついてくれば 自然と記入できるようになりますので、気軽な気持ちで始めてみてください🎵🥰